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練習日記📖230205

更新日:2023年2月7日

2023年02月05日()


本日も朝から夕方まで、

定期演奏会の練習を行いました✨

午前中は1部の曲を中心に、

午後は2部の曲をを中心に

合奏練習を行いました👏


まずは基礎合奏をしっかりと。

チューニングの時点から、

「音程を合わす」だけでなく

より良い音色で演奏する、

というところまで、

つき詰められるといいですね👧

2月に突入⛄ということで

定期演奏会まで、

2か月をきりました💦

まだまだ音楽ができる部分が

たくさんありますので、

まずは自分の音に

責任をもってより良い音楽を

届けられるようにしましょう🎶

さて、毎年恒例となりました

今日からぼちぼち定期演奏会曲を

紹介していこうと思います~📚


シンフォニックホームの演奏会を

もっともっと楽しめる!?

そんな情報が満載ですよ📖


本日は1部の

アルフレット・リード作曲

OTHELLOを紹介いたします🙋‍♀️


この曲はウィリアム・シェイクスピアの

『オセロー』(※1)のために作曲された

劇付随音楽(※2)をもとにした

演奏会用の組曲です🎼


5曲からなる組曲で、

楽譜には各曲のタイトルの他に

戯曲から台詞が引用され、

具体的な場面や情景が

示されています🖊


【第1楽章】

I . Prelude (Venice)

"The tyrant custom hath made the flinty and steel couch of war my thrice-driven bed."

戦いの習慣は石を枕に鋼の床と明け暮れ、戦場こそ私にとってこよなき寝床である。


これは主人公であるオセローが

第一幕第三場でヴェニス公爵に

行った演説の1文で、

冒頭から戯曲全体に漲る緊張感と

戦いの雰囲気を醸し出しています🔥


打楽器のショットで堰を切り

続く金管楽器のファンファーレによって

開始される音楽は険しく、緊張感が

そのまま引き継がれていきます。

壮大なサウンドは一旦静まって、

(第3楽章にも登場する)

美しくも切なげな旋律へ。

さらに遠くから

ファンファーレが聴こえると、

鮮烈な応酬を積み重ねて

スケールの大きな音楽となります。

第1楽章の最後の音楽は、

これから起こる哀しき運命を

暗示しているのかもしれません。


【第2楽章】

II. Aubade (Cyprus)

"Good Morning, General"

おはようございます、将軍


Aubadeというのは朝の歌で、

(赴いたキプロスにて)

オセローとデズデモーナの

住まいの窓の下で演奏する

旅回りの楽隊によって奏されます。

(第3幕第1場)


軽快な音楽で悲劇の中でも

比較的安らかな雰囲気にある場面で

16世紀の街中にある

楽隊がイメージできますね💂‍♂️


【第3楽章】

III. Othello and Desdemona

"She loved me for the dangers I had passed, and I loved her that she did pity them"

あれは私が冒した艱難ゆえに私を愛したのであり、またそうした我が身上を哀れんでくれたゆえに、私もあれを愛したのでございます。


オセローとデズデモーナ(※3)の間の

情熱的で優しく深い感情を

描写しています。副題には、

デズデモーナへの求愛に関して、

オセローがヴェニスの議官たちの前で

行った弁明が引用されています。


これぞまさに「愛の歌」、

優しく甘美なメロディーを

奏でられるように

精進しております💪


【第4楽章】

IV. Entrance of the Court

"Behold, the Lion of Venice!"

見よ!ヴェニスの獅子を!


(この楽章で描写したのは)

原典の「オセロー」第4幕第1場と、

ヴェルディの歌劇のために

ボーイト(Arrigo Boito)が脚色した

台本に登場する同様の場面との

合成だと解釈されています。

激怒と嫉妬のために

半狂乱に陥ったオセローが、

オセローを英雄として

讃えようと訪れた

廷臣たちの前でデズデモーナを罵り、

殴るという忌まわしい場面の後、

イアーゴー(※4)が

オセローを嘲笑する場面です。


華々しいファンファーレに始まり

気品に満ちたメロディーが

印象的な楽章です。


【第5楽章】

V. The Death of Desdemona; Epilogue

"I kissed thee ere I killed thee: no way but this..."

お前を殺す前に口づけをしてやったな…こうするよりほかは…


この終楽章は全曲を総括し、

これまでに生じた不協和音を

最終的に解決させています。

副題には、デズデモーナの屍に

オセローが語りかける

最後の有名な台詞が

引用されています。


前楽章の華々しい印象は、

序奏で瞬時に暗鬱な雰囲気に、

空しさの漂う中、

ホルンのソロが挽歌を歌います。

続く第2楽章の旋律の再現は

愛情に満ちた日々のオセローと

デズデモーナを回想させますが、

その旋律は高揚しながら形を変えて、

悲劇的なものとなっていきます。

クライマックスのリズムは、

やはり逃れられなかった

哀しい運命を象徴するもので

消え行くような鼓動を

表現しているようにも思います。


------------


物語や背景を知っていると、

演奏するのも聴くのも

より楽しくなりますね👂

「オセロー」自体は悲劇ですが

原曲の雰囲気を壊さずに、

かつシンフォニックホームらしく

楽しんで演奏が

できるといいなと思います。


コンセプトにもあるように

音楽はもとより、

「音を楽しむ」ものです。

音楽をつきつめる「楽しさ」も

お客さんにお伝えできるよう

真摯に取り組んでまいります💪


さて本日の動画はコチラ🎥

そんなオセロー5楽章

最後のシーン、

消えいくような鼓動の印象から

心の中のカウントを頼りに

ストップウォッチチャレンジを

してみましたよ⌚

気になる結果は…???

ぜひご覧ください👀

YouTube版もお願いいたします!


2023.02.05.SUN


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【注】

※1. 戯曲のタイトルおよび役名表記について「オテロー」「オテロ」「オセロ」とするものもあるが、ここでは「オセロー」に統一して表記する。

※2.「オセロー」の劇付随音楽は前奏曲、幕間音楽、エピローグ、幕引きの音楽からファンファーレまで、大小の計14曲からなる。

※3. 役名表記について「デズデモナ」「デスデモーナ」「デスデモナ」とするものもあるがここでは、河合祥一郎 訳 「新訳 オセロー」(角川文庫、2018)及び、小田島雄志 訳「オセロー」(白水社、1983)に合わせてデズデモーナと表記する。

※4. 役名表記について「イアーゴ」とするものもあるがここでは、河合祥一郎 訳 「新訳 オセロー」(角川文庫、2018)及び、小田島雄志 訳「オセロー」(白水社、1983)に合わせてイアーゴーと表記する。

【参考文献】

「新訳 オセロー」河合祥一郎 訳(角川文庫、2018)

「オセロー」小田島雄志 訳(白水社、1983)

「アルフレッド・リードの世界」村上泰裕 訳・編著(佼成出版社、1995)


※「オセロー」の解釈、および楽譜の解釈につきましては諸説ございます。


 
 
 

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